悪性腫瘍(がん)

人間の体は、何十兆個もの細胞から成り立ってできています。がんというのは、簡単にいうと正常な細胞が変異したことをいいます。通常、細胞というのは傷ついた細胞や老化した細胞を必要に応じて「増殖」「分裂」を繰り返し、新しい細胞へ入れ替わります。これを新陳代謝といいます。

しかし、さまざまな原因により傷ついた細胞などが、入れ替わることなくそのまま生き続けることがあり、そういった細胞が死滅せずに「増殖」「分裂」をすることで「腫瘍」が生まれます。これが、がんの始まり(入口)です。※:良性か悪性かは別です。

● がんの始まりについて

① 通常の細胞は、「増殖」と「分裂」を繰り返し、新しい細胞に入れ替わる。
② 何らかの原因で、異常が見られた細胞が死滅せずに、悪い細胞が「増殖」や「分裂」を繰り返す。

その結果・・・

③ 腫瘍が形成される。
※その後「良性」「悪性」かに分かれます。

高齢者の死因となる病気

2017年に厚生労働省が、高齢者が死因となる病気の統計をとり、最も多かったのが「悪性新生物(ガン)」です。医療の発展により、ガンによる死亡は少なくなったと言われていますが、ガンによる死亡数はまだまだ多いです。

下記に、高齢者の各年代別でみた死因をまとめた表を作成しましたので、ご覧ください。

順位 65~69歳 70歳代 80歳代 90歳代
1位 悪性新生物(ガン) 悪性新生物(ガン) 悪性新生物(ガン) 心疾患
(90~94歳)

老衰
(95~99歳)

2位 心疾患 心疾患 心疾患 老衰
(90~94歳)

心疾患
(95~99歳)

3位 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患
(80~84歳)

肺炎
(85~89歳)

悪性新生物
(90~94歳)

肺炎
(95~99歳)

4位 不慮の事故 肺炎 肺炎
(80~84歳)

脳血管疾患
(85~89歳)

肺炎
(90~94歳)

悪性新生物
(95~99歳)

5位 肺炎 不慮の事故 老衰 脳血管疾患

悪性新生物「がん」が、どの年代にもランクインしており、がんで死亡する高齢者が多いことが分かります。

がんの予防

がんの予防についてですが、基本的には「これをやったから予防が出来る」というものではありません。それは、がんは様々な要因からなるためです。

しかし、できる限りがんにならないようにすることは可能です。それは、「規則正しい生活」を送ることです。これはがんに限ってのことではありませんが、国立がん研究センターの研究からは、下記にある5つのことを見直す必要があるといわれています。

● 食生活の見直し
● 節酒
● 禁煙
● 適正体重の維持
● 適度な運動

介護保険サービス

がんの予防は上記のように、規則正しい生活をすることで発症のリスクを抑えることが出来ます。しかし、そういった環境を自ら作れない方は、介護保険サービスを利用してみるのも一つの方法です。

介護保険サービスの中には「通所介護(ディサービス)」「通所リハビリテーション病(ディケア)」といったサービスがあります。これらのサービスは、適度に運動し(たくさんやることも可能)やバランスの摂れた食事を摂ることができ、通うことで生活にメリハリが出来ます。がん予防もですが、健康増進といった意味で利用してみると良いでしょう。