白内障

白内障とは、目の中にある水晶体と呼ばれる部分が、濁ることで起こる病気です。一般的に濁る原因とされているのが「加齢」です。加齢により水晶体の成分である、たんぱく質の変化が関係しているといわれています。

★症状が軽いものも含めて、白内障にかかる確率
● 50歳代・・・37~54%
● 60歳代・・・66~83%
● 70歳代・・・84~97%
● 80歳代・・・ほぼ100%

情報元:https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0012/G0000028/0007

しかし、白内障は加齢以外でも起こる場合があります。下記に、加齢以外になる4つの要因を紹介します。

● 糖尿病
・糖尿病を持病としている人は、健康な人よりも「約5倍」も白内障になる可能性があるとされています。また、性別差では、男性より「女性」の方が白内障になりやすいことが分かっています。さらに、血糖値のコントロールが出来ていないと、白内障の進行が早くなります。

● 放射線
・放射線は、目の中にある水晶体にダメージを与えやすいといわれています。特に短期的に大量の放射線を浴びた場合、白内障になる確率がかなり高くなることが分かっています。

かつて、チェルノブイリ原発の事故で被ばくした方が、10年以上経過後の様子を調べたところ、多くの方が白内障にかかっていたことが分かっています。

● ステロイド剤
・ステロイド剤には、飲み薬や塗り薬、吸入薬などがあります。その中でも、全身疾患の病気に関係する内服薬と、主に喘息の治療に使用されている吸入薬が白内障の原因になりやすいことが分かっています。

ステロイド剤が原因での水晶体の濁りは、水晶体の後嚢部中央から進行し、皿状の濁りができるのが特徴です。また、加齢が原因での発症と比べて進行が早く、発症から手術が必要な状態になるまでの期間は「数ヶ月から1年程度」と、進行が早いといわれています。ステロイド剤を使用している方は、主治医や眼科医とよく相談してください。

● 紫外線
紫外線は、皮膚だけではなく、目に浴びることで白内障になるリスクを大きく上げます。また、既に白内障になっている人であれば、進行が早まりますので、サングラスをかけるなど、紫外線をなるべく浴びないようにすることをおススメします。

白内障の症状

白内障の初期は、目立った症状はあまりみられません。しかし、進行していくと・・・

● 目がかすむ
● ぼやけて見える
● 二重三重に見える
● 光が眩しく感じる

◇ 目はカメラのレンズに例えられる

カメラのレンズもくもりや汚れなどがあると、ぼやけたり、意味もなく反射したりします。白内障になれば、人間の目もそのような状態になると思ってください。

さらに進行すれば、視力が著しく低下し失明に等しい状態になることがあります。また、進行した白内障の手術は、合併症の可能性が非常に高く、時間がとてもかかります。

そのため、少しでもおかしいと感じた場合には、たかが白内障とは思わず眼科に受診してください。

白内障の予防

白内障の主な原因は加齢ですが、酸化ストレスによる影響もあるといわれています。酸化ストレスをどのように予防するのかまとめましたので、下記をご覧ください。

● 抗酸化効果のある野菜や果物を毎日摂取する。(ビタミンA・C・Eなど)
・トマト、ブロッコリー、ほうれん草、にんじん、いちご、キウイなど

● 食事で十分にビタミンを摂取出来ない場合は、サプリメントなど補うことで白内障の予防に有効との報告もあります。

● 目から紫外線を守る
・サングラス

● タバコを吸っている方は、禁煙を行う。
・喫煙は糖尿病の発症リスクを上げてしまい、糖尿病になればさらにリスクを上げてしまいます。