訪問看護

看護師が自宅に訪問し、医療処置を行います。また、訪問看護ステーションからリハビリ職の派遣もできます(事業所によっては対応していない所もある)。イメージとしては、入院中に時間になれば看護師(リハ職)が来て医療処置(リハビリ)をしてもらう感じです。

● 対象者・・・要支援・要介護認定を受けている方。

訪問看護サービスの利用手続き

訪問看護師の利用を行うには、主治医に訪問看護が必要な旨を相談し、主治医から「訪問看護指示書」をもらわなければなりません。訪問看護師は、主治医からの指示の下、指示の内容に従って医療処置を行います。分かりやすく言えば、医師の代わりに訪問し、医療処置を行う感じです。

<訪問看護師導入のイメージ>

<例>
・Aさんのお尻に床ずれ(褥瘡)ができ、週に数回の傷口の処置が必要な状態となりました。

しかし、Aさんは体が不自由なため、頻繁に病院へ行くことが出来ません。また、Aさんの病院の主治医も、自宅に行くことができません。

そこで、訪問看護サービスを利用し、主治医の代わりに訪問看護師が傷口の処置を行う。

● ここがポイント!

・訪問看護サービスを受けるには、最初に主治医に相談する必要がある。
・主治医に、訪問看護ステーション宛てに「訪問看護指示書」を作成してもらう。
・「訪問看護指示書」を持って、担当ケアマネジャーに「訪問看護の利用を行いたいので、何処かいい訪問看護ステーションはないですか?」などと相談し、探してもらう。

担当ケアマネジャーが訪問看護事業所の選定後、担当者会議(サービスが本当に必要なのか問う会議)を開催し、ケアプランを交付してもらいサービス開始となります。

看護師のサービス内容

★ 医療処置

主治医から受けた指示を訪問看護師が、指示通り治療(処置)を行います。※医療処置の種類については、利用者の病状と訪問看護ステーションの判断で受け入れが決まります。指示された看護師は、毎月主治医へ「状態の経過」や「処置内容」などを報告する義務があります。

上述の例では、床ずれの話をしましたが、訪問看護師を利用する例をいくつか挙げていきたいと思います。

・胃ろうの管理、注入
・排便コントロール(摘便・浣腸)
・インスリン注射
・服薬管理、指導
・喀痰吸引の手技及び指導
・バイタル測定
・入浴介助
・点滴治療

など

上記のようなサービスはありますが、利用者の疾病により行えるサービスはさまざまです。また、訪問看護ステーションによっては、行える内容が異なりますので、直接問い合わせるか、担当ケアマネジャーに相談するのが良いです。

訪問看護によるリハビリ職の訪問

こちらは、訪問看護ステーションから訪問するリハビリ職のことを指します。リハビリ職が常駐をしている訪問看護ステーションでは、訪問看護としてリハビリ職を派遣するので、訪問リハビリテーションとは別の種類となります。主なリハビリ職は、下記の3職種となっています。

・理学療法士(PT)
・作業療法士(OT)
・言語聴覚士(ST)

の3職種が訪問します。こちらも主治医からの指示の下に訪問をします。そのため、利用を行いたい方は、訪問看護師と同様に、主治医へ相談し「訪問看護指示書」が必要となります。

※ 注意
看護師を利用した際に、既に指示書をもらっている場合でも、もらった指示書に「リハビリ提供」の記載がなければ、新たに主治医から「訪問看護指示書」をもらう必要があります。あくまで、訪問看護(リハビリ含む)は、主治医の指示に従ってサービスを提供します。

リハビリ職のサービス内容

★ リハビリテーション

主治医からの指示を受けたリハビリ職が、指示通りリハビリ(訓練)を行います。

● 体の機能の回復と状態の維持の訓練
・膝や腰の痛みにより生活が困難になった方の状態改善に向けた訓練を行います。また、筋力や体力の維持や低下予防など体にまつわる訓練も行います。

● 日常生活の動作をしやすくする為の訓練
・日時動作とは「寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行・更衣交換・入浴の仕方・トイレ動作」などを指します。そういった困っている動作を一つ一つ確認し、動作を完結させるための訓練を行います。

● 福祉用具の使用方法・提案
・利用者の生活状況や体の動きなどを確認した上で、福祉用具の提案をします。また、既に福祉用具を持っている方であれば、使い方などの助言を行います。

● 住宅改修の提案
・利用者の生活状況や体の動きを確認した上で、住宅改修の提案および住環境のアドバイスを行う場合があります。

※ 注意
訪問看護によるリハビリは、あくまで「訪問看護」としての扱いです。そのため、リハビリ職のみでの利用は出来ません。必ず、看護師を利用した上でのリハビリ職の派遣となります。ここが、訪問リハビリテーションと異なるところです。

補足ですが、リハビリ職が訪問している時に看護師が来るのではなく、別の日に訪問をします。

● ここがポイント!

・訪問看護ステーションからもリハビリ職を派遣することが出来る。

・訪問看護ステーションからリハビリ職を派遣する場合は、看護も利用しなければならない。

・看護師とリハビリ職は別の日時に訪問する。

・看護師とリハビリ職の利用になると、訪問リハビリテーションより月の料金が高くなる。

・リハビリ職のみの希望なら、訪問リハビリテーションの方がコスト面で良い。ただし、訪問リハビリテーションは「要支援」の人は利用ができない。

サービス費用の一例

種別 時間 料金(1割負担料金)
訪問看護 20分未満 3,110円(310円)
30分未満 4,670円(467円)
30分以上60分未満 8,160円(816円)
リハビリ職の訪問

(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)

①・・・ 1回:20分 2,960円(296円)
②・・・①×2回(40分) 5,920円(592円)
③・・・①×3回(60分) 8,880円(888円)
※地域によって料金に対象の差異が生じることがあります。
※サービス加算については、利用する事業所もしくは担当ケアマネジャーにご確認ください。