介護付き有料老人ホーム

特別養護老人ホームの民間施設版

介護付き有料老人ホームの特徴は、身体介護(食事・入浴・排泄などの介助)や生活支援(家事全般など)などの介護保険サービスを入居者の状態や状況に合わせて提供します。公的機関でいう「特別養護老人ホーム」に近いです。

また、医療サービスも受けられるので、医療処置が必要な高齢者でも安心して入居が出来ます。ただし、医療サービスの内容については各施設で異なりますので、入居前に要確認です。

タイプ別に分かれている

介護付き有料老人ホームには、下記の様に2種類に分かれています。

● 介護専用型・・・重度の高齢者を受け入れることが出来る施設です。そのため、要介護度が1~5までの高齢者が対象です。※夫婦で入居:夫婦が要介護1以上でなければ、入所できない。

● 混合型・・・自立している高齢者から「要支援1・2」「要介護1~5」までの幅広い高齢者が入居することが出来ます。※夫婦で入居:介護度の違いがあっても、一緒に入居が出来ます。

◇ ここがポイント!

●特別養護老人ホームのような、介護保険サービスが受けられる。

●各施設で異なるが、医療サービスも受けられる。
※医療サービスの内容については要確認。

●重度の高齢者を専用に受け入れる「介護専用型」施設がある。
・要介護1~5までの高齢者が入居可能。

●幅広い状態の高齢者を受け入れる「混合型」施設がある。
・自立から要介護5までの幅広い高齢者が入居可能。

費用

基本的には入居一時金や保証金はかかりますが、施設によってはかからない場所もありますが月額に上乗せされていることもあります。費用に関しても、施設によってピンキリとなっていますが、月額費用は「15万円~」が多いです。

介護・医療面

各施設によって細かいサービス内容は異なりますが、「身体介護」と「生活支援」「機能訓練」などの介護サービスの提供がされます。

介護サービス

身体介護

基本的には、その方の残された能力を生かし、出来ない所は介護職員がお手伝いをする形になります。主な身体介助についての内容を下記にまとめます。

●食事介助・・・「自力で食べれない方」や「一部分に手を貸すことで食べることが出来る方」に食事の介助を行う。喉をつまらせないように、見守りを行う。

●入浴介助・・・洗身や洗髪などを出来ない部分のお手伝いを行う。

●排泄介助・・・トイレまでの誘導。オムツでの排泄な方は、オムツ交換を行う。

●衣類の着脱・・・普段着からパジャマへの着替えなど着脱の手伝いを行う。

生活支援

生活をしていくために、家事の手伝いを行うのが生活支援です。ただ、自身で出来ることは極力行ってもらい、出来ない所を支援します。

●洗濯・・・入居の衣類の洗濯や洗濯した衣類のたたみを行う。

●掃除・・・食堂や居室、トイレ、浴室など何処のご家庭でも行っている清掃。

●食事の支度・・・専門の栄養士が献立を考えて提供を行う。食事が出来るように、食卓に介護職員が食事や箸などのセッティングを行う。

●衣類の準備・・・入浴を行う際の着替えや寝るときに着るパジャマなどの準備を行う。

●買い物・・・必要に応じて入居者の買い物を行う。もしくは、一緒に買い物に行く。

機能訓練

体の状態を低下させないために、リハビリ職(理学療法士・作業療法士)や介護職員による転倒防止の体操や、脳トレなどを行います。施設によっては、リハビリ職がいない場合がありますので確認が必要です。

医療サービス

施設で異なりますが、24時間看護師が常駐している施設もあります。そのため「胃ろう・ストマ・気管切開・常時点滴・在宅酸素」など医療処置が必要な方も入居することが出来ます。

どのような医療サービスを提供しているかは、施設ごとで異なりますので、入居前には必ず確認してください。

問題点

医療費控除について

民間企業が運営している介護付き有料老人ホームでは、ほとんどが医療費控除は受けられません。理由としては、そもそも介護付き有料老人ホームは医療系施設ではないからです。しかし,おむつ代や訪問診療代などは医療費控除の対象となるケースもありますので、希望される施設に確認をしてください。

費用が高額

内容だけみれば、介護と医療がセットになっており、大変頼もしい施設です。しかし、あくまで運営は民間企業ですので、クオリティが高ければ高いほど入居費用は高くなります。

また、入居費用を抑えれば抑えるほど、高い施設とサービスの質に差が生まれてきます。介護施設に限ったことではありませんが、安いものには何か理由がありますので、有料老人ホームの入居を検討中の方は慎重に選択されることをお勧めします。